高校生等アルバイトを使用する時の注意点
高校生等の満18歳未満の「年少者」をアルバイト等に使用する時は、以下の規定を守る必要があります。
①労働条件の明示 【労働基準法第15条】
使用者は、労働契約の締結に際し、労働者に対して、賃金、労働時間その他の労働条件を必ず明示しなければなりません。
特に、以下の事項は原則として書面の交付により明示する必要があります。
○ 労働契約の期間及び「期間の定めのある労働契約を更新する場合の基準」に関する事項
○ 就業の場所及び従事すべき業務に関する事項
○ 始業及び終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間、休日、休暇等に関する事項
○ 賃金 (退職手当を除く)の決定、計算及び支払の方法、賃金の締切り及び支払の時期並びに昇給に関する事項
○ 退職に関する事項 (解雇の事由を含む)
※労働者が希望した場合、次のような方法で明示することも可能です。(一般的に出力して書面を作成できるものに限ります)
①FAX ②WEBメールサービス(Eメールなど) ③SNSメッセージ機能(LINEなど)
②賃金の支払 【労働基準法第24条・最低賃金法第4条】
・賃金は、① 毎月1回以上、② 一定の期日に、③ 通貨で、④ 全額を、⑤ 直接本人に支払わなければなりません。
但し、本人の同意の上で、指定する銀行等の口座に振り込みをすることが出来ます。
・賃金の額は、都道府県ごとに定められた最低賃金の額を下回ってはなりません。
③労働時間、休憩時間、休日 【労働基準法第32条・34条・35条】
・原則として1週間の労働時間は40時間、1日の労働時間は8時間を超えてはなりません。
・労働時間が6時間を超えるときは、途中に45分以上の休憩時間を与えなければなりません。
・原則として休日は毎週1日を与えなければなりません。
④未成年者の労働契約締結の保護 【労働基準法第58条】
・労働契約は本人が結ばなければならず、親や後見人が代わって結ぶことは出来ません。
⑤年齢証明書等の備付け 【労働基準法第57条】
・事業場には、年少者の年齢を証明する公的な書面を備え付けなければなりません。
⑥労働時間・休日の制限 【労働基準法第60条】
・次の場合(※)を除き、いわゆる変形労働時間制により労働させることはできません。
・年少者は、時間外及び休日労働を行わせることはできません。
※満15歳以上で満18歳に満たない者(児童を除く年少者)が、
ア 1週40時間を超えない範囲で、1週間のうち1日の労働時間を4時間以内に短縮する場合において、他の日の労働時間を10時間まで延長する場合
イ 1週48時間、1日8時間を超えない範囲内において、1か月又は1年単位の変形労働時間制を適用する場合
⑦深夜業の制限 【労働基準法第61条】
・原則として午後10時から翌日午前5時までの深夜時間帯に使用することは出来ません。
⑧危険有害業務の制限・坑内労働の禁止 【労働基準法第62条・63条】
・次のような危険又は有害な業務については、就業が制限又は禁止されています。
○ 重量物の取り扱い業務
○ 運転中の機械等の掃除、検査、修理等の業務
○ ボイラー、クレーン、2トン以上の大型トラック等の運転又は取扱いの業務
○ 深さ5メートル以上の地穴又は土砂崩壊のおそれのある場所における業務
○ 高さが5メートル以上で墜落のおそれのある場所における業務
○ 足場の組立等の業務
○ 大型丸のこ盤又は大型帯のこ盤に木材を送給する業務
○ 感電の危険性が高い業務
○ 有害物又は危険物を取り扱う業務
○ 著しくじんあい等を飛散する場所、又は有害のガス、蒸気若しくは粉塵等を飛散する場所又は有害放射線にさらされる場所における業務
○ 酒席に侍する業務
○ 特殊の遊興的な接客業(バー、キャバレー、クラブ等)における業務
○ 坑内における労働 等
⑨使用禁止 【労働基準法第56条】
・原則として(※)満15歳に達した日以後に最初の3月31日が終了するまでの児童(中学生以下の児童)を使用することはできません。
※満13歳以上の児童については、非工業的業種に限り、
① 健康及び福祉に有害でないこと ② 労働が軽易であること ③ 修学時間外に使用すること ④ 所轄労働基準監督署長の許可を得ること等により使用することが出来ます。
また、13歳未満の児童については、映画の製作又は演劇の事業に限り、上記の①~④の条件を満たした上で使用することが出来ます。
⑩雇入れ時の安全衛生教育 【労働安全衛生法第59条】
・雇入れの際には、仕事に必要な安全衛生教育を行わなければなりません。
⑪労働災害補償 【労働災害補償保険法】
・業務上の事由又は通勤による災害については、アルバイト等であっても労災保険による保険給付が行われることになっています。