更新日:2024/11/20

 

 

年末調整で通勤手当は給与に含まれる?

マイカー・自転車通勤の場合

 

役員や使用人などの給与所得者に対して通常の給与に加算して支給する通勤手当は、一定の限度額まで非課税となっています。

マイカー・自転車などを使用して通勤している人の非課税となる1か月当たりの限度額は、片道の通勤距離(通勤経路に沿った長さです。)に応じて、次のように定められています。

 

 マイカーなどで通勤している人の非課税となる1カ月当たり限度額表

片道の通勤距離 1か月当たりの限度額  
2キロメートル未満 (全額課税)
2キロメートル以上10キロメートル未満 4,200円
10キロメートル以上15キロメートル未満   7,100円
15キロメートル以上25キロメートル未満 12,900円
25キロメートル以上35キロメートル未満 18,700円
35キロメートル以上45キロメートル未満 24,400円
45キロメートル以上55キロメートル未満 28,000円
55キロメートル以上 31,600円

1か月当たりの非課税となる限度額を超えて通勤手当を支給する場合には、超える部分の金額が給与として課税されます。

この超える部分の金額は、通勤手当を支給した月の給与の額に上乗せして所得税および復興特別所得税の源泉徴収を行います。

有料道路を利用した場合の料金等の額も、その通勤方法や経路が「最も経済的かつ合理的な経路および方法」に該当する場合には、非課税の通勤手当に含まれます。

なお、「最も経済的かつ合理的な経路および方法」による通勤手当の金額が、1か月当たり15万円を超える場合には、その超える部分の金額が給与として課税されます。

 

電車通勤・バス通勤の場合

 役員や使用人などの給与所得者に通常の給与に加算して支給する通勤手当や通勤定期券などは一定の限度額まで非課税となっています。

電車やバスなどの交通機関だけを利用している人と交通機関のほかにマイカーや自転車なども使っている人の通勤手当などの非課税となる限度額については以下のとおりです。

 

電車やバスなどの交通機関だけを利用して通勤している場合

この場合の非課税となる限度額は、通勤のための運賃・時間・距離等の事情に照らして、最も経済的かつ合理的な経路および方法で通勤した場合の通勤定期券などの金額です。

新幹線や特急列車を利用した場合の運賃等の額も、その通勤方法や経路が「最も経済的かつ合理的な経路および方法」に該当する場合には非課税の通勤手当に含まれますが、グリーン料金は最も経済的かつ合理的な通勤経路および方法のための料金とは認められないため含まれません。

最も経済的かつ合理的な経路および方法による通勤手当や通勤定期券などの金額が、1か月当たり15万円を超える場合には、15万円が非課税となる限度額となります。

 

電車やバスなどの交通機関のほか、併せてマイカーや自転車なども使って通勤している場合

この場合の非課税となる限度額は、次の(1)と(2)を合計した金額ですが、1か月当たり15万円が限度です。

(1) 電車やバスなどの交通機関を利用する場合の1か月間の通勤定期券などの金額

(2) マイカーや自転車などを使って通勤する片道の距離で決まっている1か月当たりの非課税となる限度額

1か月当たりの非課税となる限度額を超えて通勤手当や通勤定期券などを支給する場合には、超える部分の金額が給与として課税されます。

この超える部分の金額は、通勤手当や通勤定期券などを支給した月の給与の額に上乗せして所得税および復興特別所得税の源泉徴収を行います。

なお、通勤手当などの非課税となる限度額は、パートやアルバイトなど短期間雇い入れる人についても、月を単位にして計算します。